本日6月23日午後12時40分過ぎ(日本時間)にイギリスのBBC放送がイギリスのEU離脱が残留を上回ることが確実と報じました。

これにともない急激な円高に見舞われ、日経平均株価は一時、一気に1300円以上の値下がりをしています。EUからイギリスが抜けることはEU自体の求心力が弱まることになり、EUをリードするドイツ、フランスにも大きな影響を及ぼすことになります。

一方、EUで経済的に弱い立場にあるギリシャ、スペインなどの離脱を促すことにもなりかねず、経済だけでなく安全保障上の不安定さも生じる可能性があります。

「イギリスのEU離脱」は、まさか、と思っていたものの、これが現実化したことで危機感が大きく膨らむことになるでしょう。

当然ながら、自国だけではコントロールできないグローバル経済のなかでは、我が国の経済に及ぼす影響は免れず、大きな景気の後退が予想されます。

さて、全体像としてはニュースなどで報じられると思いますが、これを人材派遣サービスに照らすとどうでしょうか。

輸出の多い製造業を中心にマイナス方向に向くことは間違いないでしょう。ことによるとリーマンショック並みの衝撃が走る可能性すらあります。

まずは、就労中の派遣社員の中途解約の回避、中途解約を免れない場合の他の就労先の確保、契約期間までの休業補償といったことを考える必要があります。また、契約期間満了後の就労先の確保も早期に対応することが求められるでしょう。

いずれにしても、人材サービス企業の意義が雇用の創出と維持向上にあるということを前提にこの難局を乗り越える必要があるのではないかと思われます。

イギリス国民が選んだ結果ですが、この選択は長期的にはイギリス国民にとってもよい影響を及ぼさないものと思います。地理的なことや民族的なことも大きいと考えられますが、移民、社会保障、関税などで国家主権をということはわからなくはないものの、ドイツに次ぐ経済規模のイギリスがEUから離脱することは自国だけの目先にとらわれた選択となったのではないかと思います。

個人的には1993年のEU統合に対応するために1989年にドイツに赴任したといういきさつもあり非常に残念です。