こんにちは。人材サービス総合研究所の水川浩之です。

毎日暑いですね。もう梅雨が明けたのかと思うほどですが、まだなんですよね。

九州では局所的な大雨で大きな被害が出ていますが、関東では先日の台風以外は雨らしい雨もほとんどなく、それはそれで水不足が心配になります。

さて、今日は、7月3日に日本商工会議所が発表した「人手不足等への対応に関する調査」集計結果について採り上げたいと思います。

この調査は、全国47都道府県の中小企業4,072社を対象に今年3月24日~4月28日に各地商工会議所職員が訪問調査をしたとのこと。

回収商工会議所数392商工会議所(回収率:76.1%) で、回答企業数:2,776社(回答率:68.2%) とのことなので、中小企業を対象としたものとしては、かなり信憑性が高い結果なのだろうと思います。

人材不足感が増加傾向

中小企業が抱える人材不足感はかなり切実になっており、「不足している」と回答した企業は60%を超えています。

昨年、一昨年の同じ調査と比較しても徐々に不足感が増加しています。たしかに人材不足は本当ということなのでしょう。

「過剰である」という回答がわずか2%とのことなので、「過不足はない」と回答した企業も欠員が出たら直ちに「不足している」に転じることになります。

飲食、運送、介護、建設、その他サービスなど、従来から人材不足が指摘されている業種で約70%以上の企業が不足をしていると回答しています。

その他サービスには人材サービス業も含まれるので、多くの事業者さんでも自社の社員も含めて「不足している」ということがあるのではないでしょうか。

充足している企業もある

しかし、ここで考えなくてはならないのは、人材不足が深刻であると言われている中で、20~40%の企業は、「不足している」と回答していないということです。

多くは、「過不足はない」ということになるのだと思いますが、恐らく、欠員が出ない、あるいは増加と減少のバランスが取れている、ということです。

こうなると、どうしても定着率に目が向きます。

そもそも、売上増加や生産量の増加、サービスの向上など、大幅な人員増の要因がなければ、一般的には人材の採用に至りません。私はこのような人員増について事業拡大型と呼んでいます。

一方、これらの要因がないにもかかわらず、「不足している」というのはなぜでしょう?

つまり事業拡大をするわけではないのに人材を募集するケース。これを現状維持型と呼びますが、答えは簡単です。欠員が出るからです。

私もよく採用をするためにはどうしたらよいのかと尋ねられますが、少なくとも現状維持である限り、欠員さえなければ募集・採用の必要もないとも言えます。

まずは定着率の向上を

話の流れから、ついつい募集→採用→定着となりがちですが、本来は定着→募集→採用の順に考えた方が自然です。

定着率が向上しない限り、常に募集をしなければ充足できない状況になってしまいます。

表現は悪いかもしれませんが、穴の開いた桶に水を汲むようなものです。

もちろん、今いま、人材不足に悩んでいる中、募集をするなとは言えませんが、多くの場合、短期的な視点で募集効率をあげるための対策と中長期的な視点で定着率を上げる対策を同時に進めていくことが必要ということになります。

定着率を上げるために

定着率を上げるためには、当たり前ですが定着する人を増やすこと、多くの人に少しでも長く就業してもらうことが必要です。

そのためには、企業風土や経営戦略、組織、制度など多くのことを改善していかなければなりません。

しかし、これらの改善は革新と言ってもよく、一朝一夕に成るわけではありません。

自社の実態を十分把握したうえで、戦略的に改革を進めていくことが重要と言えるでしょう。まさに経営改革そのものです。

…というわけで、明日はそんな仕事をしてきます。

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雇用が変わる

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