こんにちは。人材サービス総合研究所の水川浩之です。

少し前のことになりますが、今日は先週9月15日(金)に開催された第40回労働政策審議会についてです。

メディアがいっぱい

この日は、午後13:00から労働条件分科会があり、私はこれには行けなかったのですが、恐らく、長時間労働の是正、ホワイトカラー・エグゼンプション、インターバル規制などの働き方改革について集約され、それがその後16:30からの本会で報告されるのかなと思っていたら、すでに働き方改革は既定路線として終了していたようです。

それにしては、加藤勝信厚生労働大臣の出席もあり、本会へのメディアからの注目度は高く、テレビ局の取材も多く入っていました。

議題は、以下の3点で、特に「来年度の労働政策の重点事項」については注目すべきところでした。

  1. 働き方に関する政策決定プロセス有識者会議報告及び労働政策基本部会の設置について
  2. 労働政策審議会運営規程の改正について
  3. 平成 30 年度労働政策の重点事項(案)並びに予算概算要求の概要

来年の重点項目

詳細については、「平成 30 年度労働政策の重点事項(案)」を見ていただきたいのですが、大項目としては以下が挙げられています。

  1. 同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善
  2. 賃金引上げと労働生産性向上
  3. 長時間労働の是正や安全で健康に働くことができる環境づくり
  4. 柔軟な働き方がしやすい環境整備など
  5. 女性・若者の人材育成など活躍しやすい環境整備
  6. 治療と仕事の両立
  7. 子育て・介護等と仕事の両立、障害者・高齢者等の就労促進
  8. 雇用吸収力、付加価値の高い産業への転職・再就職支援
  9. 外国人材の受入れ
  10. 人手不足対策、地方創生の推進

内容的には網羅的であり、特に問題はないのですが、ちなみに昨年定められた今年2017年の重点目標を参照するとかなり趣が違うことがわかります。

  1. 「一億総活躍社会」を支える多様な働き手の参画
  2. 「一億総活躍社会」の実現に向けた働き方改革の推進
  3. 「GDP600 兆円経済の実現」に向けた労働生産性の向上
  4. 地方創生の推進
  5. 労働者が安全で健康に働くことができる職場づくり
  6. 重層的なセーフティネットの構築
  7. 東日本大震災からの復興等のための雇用・労働対策

一番、明らかなのことは東日本大震災についてはすでに採り上げられていないということになります。

それ以外では、「GDP600 兆円経済の実現」といった具体的な数字がありません。そもそも「GDP600 兆円経済の実現」はどうなってしまったのでしょう?昨年、盛んにPDCAと言っていたわりには、振り返りなく次に進むという感じですね。

派遣法改正も視野に?

この中で一番目を引いたのが、「8 雇用吸収力、付加価値の高い産業への転職・再就職支援」の「(3) マッチング機能の充実」にある「労働者派遣制度の見直しに向けた検討」です。

たった一行だけですが、見直しの必要性が認識されているということですね。これが政策として採り上げられているかどうかは大きな違いです。

来年は充実した労働力需給制度部会が期待できるということでしょうか。人材サービス業界としては真剣に取り組みたいところです。

少なくとも「平成24年及び平成27年労働者派遣法改正法や附帯決議等に基づき労働者派遣事業の在り方等について検討する。」とされているので、これはまた仕切り直しということですね。

平成24年改正法は、いずれも民主党政権下で制定されたもので、いずれも雇用、労働環境を歪める悪法と言えます。

  • 日雇派遣の原則禁止
  • 労働契約の申込みみなし制度について
  • グループ企業派遣の8割規制
  • マージン率等の情報提供
  • 1年以内に離職した労働者への規制

また、平成27年改正法も労政審でほとんど議論のなかったことが国会の場のドサクサ紛れに妙な附帯決議がつき、民主的と思えないような法律の建てつけになってしまいました。

ぜひ、来年度の見直し論議では、前例有りきではなく、ゼロベースで本当に必要なのかどうか、法制度に盛り込むべきことなのかどうかを考えてもらいたいものだと思います。

と同時に、業界としてはこれらのおかしな法制度があることを忘れず、しっかりと声を挙げていってほしいものです。

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雇用が変わる

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