7月26日、「働き方に関する政策決定プロセス有識者会議」が厚生労働省で開催され、傍聴をしてきました。冒頭、塩崎厚生労働大臣から挨拶があり、グローバル化、IT化、少子高齢化による産業構造の変化が指摘されたうえで、より多くの人の声を聴きながら政策決定を行いたいとのこの会議の趣旨が述べられました。
このような政策決定プロセスについて議論がされることは初めてとも述べられていましたが、今後の労働政策の方向性を考えるうえでこの会議の議論は非常に重要なものになります。
ただ、大臣が出席するぐらいの位置づけの会議にもかかわらず、人材サービス事業者の方の参加がほとんどなかったのは少し残念でした。方向性が出るまでにはまだ時間がかかりますが、業界としてもあるべき姿を求めて先取りをしていく必要があるのではないでしょうか。また、先取りした情報を経営戦略に生かすことも必要だと思います。
配布された資料、メンバーについては、すでに厚生労働省のサイトにアップされています。
検討項目として、以下が挙げられています。
- 労働政策に関する企画・立案などのあり方について
- 労働政策審議会の機能、構成(委員、部会、分科会など)、運営、事後評価などのあり方について
- 労働政策に関する国民の意見聴取などのあり方について
- その他
この場では、どのような意見が出されたか、主な意見の要旨を列記しておきます。
- アジェンダ・論点から見直しをすべき
- 守れるルールを策定すべき
- 世代間、地域間でも状況が異なる
- 三者構成のあり方はこのままでよいのか
- 政策決定までの時間がかかりすぎる
- 経済全体の中でこれからの時代を見据える必要がある
- 規制改革会議などの指摘事項を議論する場になっているのではないか
- 時代に合ったものにしていく必要がある
- データやエビデンスに基づきロジカルに議論すべき
- 本音の議論をする必要がある
- 環境変化に迅速に対応する必要がある
- 多様な意見を吸い上げることが必要である
- 個人事業主について議論からもれている
- 長期的な視点で議論をする必要がある
- メンバー構成も多様にした方がよいのではないか
- 未来を見据えた視点が大切である
- ILOでは政労使、厚労省では公労使となっており微妙に違う
なお、筆者が気になった点としては、以下の2点です。
- 労働政策審議会で議論された政策が国会の場に移った段階で政争の具とされ内容が歪められることについてどう考えるのか
- 三者構成の原則はよいとして、多様な就業形態すべてにわたり代弁できるメンバー構成となりうるのだろうか
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