昨今、企業経営において「スピード」の重要性がクローズアップされています。たしかに「スピード」は大切です。ITや通信が極度に発達した現在、瞬時に業務の処理が行われます。情報に地理的な隔たりはありません。同時に情報の共有が図られます。まさに「いつでも、どこでも、誰とでも」です。しかし、本当に「スピード」だけを追い求めていればよいのでしょうか?

仕事にはどのような場面でも「判断」が求められます。もしも「判断」するための基準となる目的、目標、考え方が定まっていなければ、誤った「判断」をすることになります。もっと言うと「判断」すらできないと言えるでしょう。

目的、目標、考え方が定まっていない中で、「スピード」だけを要求するとどうなるか。誤ったところに早く到達するだけです。到達はおろか、彷徨うだけになってしまうことすらあります。

決して「スピード」を否定するものではありませんが、「スピード」を目的化することを避けなければなりません。そのためには、立ち止まって、目的、目標、考え方を定めるという作業も必要なのです。