緊急性と重要性ブログやFacebookページへの皆さんのリアクションを見ていて、ふと心配になることがあり、今日は経営力の話を…。
業況判断DIなどを見ていると決して手放しで景気がよいわけではないようで、むしろ先行きが心配という状況にあるようです。
それでも人材サービス業が比較的堅調であるということは、要因として景気よりも人材不足の方が強いということになるのでしょうか。
大きくは少子高齢化、労働力人口の減少、目先では失業率の低下、有効求人倍率の上昇、つまり人がいない。
企業からの人材ニーズが高まれば、人材サービスへの期待が膨らむことは当然で、人材サービスに携わる皆さんから見れば、受注はできるけど、アサインができないということになるという理屈ですがいかがでしょう。
市場が堅調に推移しているなか、事業者の皆さんは売上、利益の向上を図られていることと思います。
表現はよくないかもしれませんが、「稼げるときにできるだけ稼ぐ」という考え方もなくはないのでしょうけど、持続可能性という観点からはそれだけでは将来がありません。
市場が堅調なときこそ、業績拡大と同時に足腰を鍛えてしっかりと次のステージに備える時期でもあります。
財務体質を強化すること、業務改善によってサービスの質を向上させること、不測の事態に備えてリスクマネジメントをすること、ついつい堅調なときには忘れがちです。
「真の経営力」を身につけるのは、あるいは「真の経営力」を発揮するのは、このような堅調のときにこそと思います。
いま私たちは、雇用改革が求められる時代の真っ只中にいることは紛れもない事実ですが、それと同時に先が読めません。
拙著でも書きましたが、政治、経済、社会、技術といった雇用を取り巻く状況は複雑すぎて「コレ」といった読みができないのです。
使い古された言葉かもしれませんが、まさに「不確実性の時代」なのです。
10年はおろか、5年先どうなっているかさえ、ハッキリ読める人はいないのではないでしょう。だから、大手企業は内部留保を溜め込み不測の事態に備えているとも言えます。
特に経営に携わる方にはこのような時期にこそ先々のことを考え、自社の体質強化を図って頂きたいものです。
先が読めない時代でも、結局のところインサイドアウトです。自社がどうあるべきかを常に考え、次のステップに進んでほしいものです。
最初の話に戻りますが、ブログやFacebookページへの皆さんのリアクションを見ていると、目先の緊急性のあることへの反応はよく、重要性のあることについては反応が鈍いのです。重要事項を優先するという観点からするとこれは極めて危険です。
目を通してくださっている方が現場に近ければ近いほど、緊急性のあることにきちんと対処することが求められることは十分理解できますが、経営レベルで考えるとやはり重要性のあることに目を向けてほしいと思います。もちろん、そんなことは分かっているという方も多いとは思いますが気づいたことをお知らせしておきます。

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