先週、人材サービス業界にとって極めて大きなインパクトがあるものとして「『CEATEC × 人材サービス = 雇用創出』だ!」で、第四次産業の幕開けについて書いてみましたが、その割には、このエントリーはそれほど注目されませんでした(苦笑)。

人材サービス業界は、どちらかというとアナログな仕事が多いと思われているためか、第四次産業革命どころか、まだIT革命の第三次産業の域にも至っていないケースもあるような気がします。

ai IT化に取り残されていませんか?

もちろん、先端的な取り組みをされている事業者さんもいらっしゃるのだとは思いますが、IoTやAI、ロボットなどはおろか、IT化についての認識にさえ大きな幅がありそうです。

いくつか、最近話をした人との会話を思い出しながらそんな一端を覗かせることを挙げてみましょう。

1)人材サービス事業者向けのシステムを開発・販売している事業者Aさん

A「勤怠管理を紙とエクセルでやっている事業者さんは多いですよ」

私「えーーー!時間がかかって大変でしょ。間違いも多いだろうし…。」

A「そうなんですよ。業務効率あげなくていいんですかねぇ」

2)優良事業者認定制度に携わっているBさん

B「審査にいったら、なんでもかんでもIT化されていて本当に運用がうまくいくのか疑問でしたよ」

私「ITで行動の記録を取っている方が審査項目のエビデンスとしては正しいのではないですか」

B「いやぁ、人間的でないような気がして…」

…それって事業者側の問題ではないでしょ(笑)。

3)営業活動の報告会議を土日にやるという事業者Cさん

C「土日にしか会議ができないんですよ」

私「行動の把握はSFAでも使ったらどうですか?」

C「SFAってなんですか?」

世の中はいろいろです。ITを賢く使い、業務の質を向上させる、コストを削減させる、ほとんど使い古されたようなことがまだ遠い世界のことと思っている人もいるようです。

重要なことは、使う使わないではなく、どう使うかですね。もしもその域までいっていないとしたら重症です。ご相談ください(笑)。

すでに無意識に使っているAI

さて、前置き?が長くなりましたが、昨今、雨後の筍のように頻出している「IoT」や「AI」。前述のようなIT化にさえ至っていない人から見ると、夢物語のような話に聞こえるのかもしれませんが、これがもはや夢ではなくなっているという話です。

先週末、AIについてのあるセミナーに参加させてもらいました。私自身は夢物語とは言わずとも「近い将来」ぐらいのものと思っていたのですが、これがどうやら大きな間違いであったことに気づきました。

知らないうちに私たちの生活の中にAIが忍び寄っているのです。

すでに皆さんは、Googleを使っていますよね?Siriも使っていますよね?

アルファ碁やWatsonのようなものはチョット遠いものに感じるかもしれませんが、実際には私たちはすでにAIを使いはじめているのです。

そして、GoogleもSiriも自分はAIを使っているとは語りませんよね。ここが怖いところです。ユーザーが知らないところでAIが使われている。まさにタイトルどおり、AIは忍び寄ってきており、そして、そのことを何も語らないのです。

最近わかってきたのですが、人材サービスはアナログでできてしまうことが多いから、同業他社が何をどのようにオペレーションしているのかわからないんですよね。

実は自社でものすごく苦労してやっていることを、他社ではいとも簡単にできてしまっている。

忍び寄る影 知らぬ間に大きな差が

生産性を管理してみると、実は何倍も差がついている業務もあるはずです。いや、客観的に話を聴く限り、何倍では済まないほどの差を感じることもあります。

これがAIとなったらどうでしょう。例えば、登録スタッフの離職傾向の把握、メンタル系疾患の兆候、採用選考、マッチング、キャリア形成、クライアントの思考、こんなことにAIが使われ出したら…いや、すでに着々と使われ始めているのです。

まだ、ノウハウが浅いタイミングでしょうから、あまり差を感じることはないかもしれませんが、これが成熟したときには計り知れないほどの差が生まれます。

当然ながら生産性も成果としての品質も人が行うよりもレベルが高いということになったときに勝負はついていますね。

取り残されないように

どんなに売上を上げても、業務に費やすコストが大きければ、利益は残りません。「売上最大、経費最小」です。少しでも売上を上げることを考えることは重要ですが、それと同時に品質を向上させながらどれだけ経費を削減できるかを考えることは必須です。

思う以上にAIが忍び寄るスピードは速いです。ふと気がついたら取り残されていたというようなことにならないとは限りません。独りよがりにならないようご注意ください。

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