先日、人材サービス業界のある人と話をしていたら、どうにも仕事が上手くいかないとのこと。聞いてみると、計画も曖昧だし、結果を振り返ることもない、無駄なことが多いという話。
要するにこれって「Do-Do-Do-Do」なのですね。「ド-ド-ド-ド」ではないですよ、「ドゥ-ドゥ-ドゥ-ドゥ」です。つまり、Planもなければ、Checkもない、Doしかない。これでは物ごとが向上するわけがありません。結構ありがちな話ではないですか?
■ 本当にPDCAができていますか?
当然ながら、Plan-Do-Check-ActionのPDCAが必要ということなのですが、案外これができていないことが多い。子どものころから言われていませんでしたか?「やったらやりっぱなし」とか。
まず、Planの段階で間違えていることが多くあると思います。計画は、いつ、誰が、何を、どのようにやるのかを決めなければならないのですが、実際には「どのように」が抜けていることが非常に多いと思います。
ビジネスの場ではPDCA、PDCAというわりには、実際には入口の段階できちんと計画されていないから、PDCAもやっているつもりになっているだけで効果が現れないことが多いのです。
もちろん、破壊的イノベーションにはPDCAもへったくれもないということも言えるのかもしれませんが、多くの仕事はやはり改善につぐ改善が必要です。
■ 目標は計画ではない
例えば営業であれば、「予算〇〇万円必達!」と掛け声はよいのですが、このような目標だけでは計画とは言えません。実際にはどの顧客に何をどのように売って、いくらの売上を上げるということまで落とし込まなければ後になって振り返ることはできません。
結果として棚ボタの売上で予算達成ということもあるのかもしれませんが、本来の力は計画に沿って計画通りに進めることができたかどうかです。
売上さえ上がっていればどうでもよいという考え方ではいつまでたっても棚ボタを期待するしかなくなってしまいます。棚ボタも続けばよいですが、なかなかそうはいきませんね。
本来の力を蓄えるためには、計画に対してどうだったのかということを繰り返しCheckして、上手くいかなかったのであれば改めなければならないし、上手くいったのであればそれをベンチマークとして他にも生かすということが必要なのです。
■ 計画自体の間違いも疑ってみる
もちろん計画自体が間違っていたということもあるのかもしれません。営業であれば、市場なり、顧客なりを読む力、経営的には環境分析などによる洞察力に欠けているということです。きちんと状況判断をすることも計画の中に含まれるということになりますね。
目的に適った計画をきちんとした洞察力をもって立てることができなければ、誤った方法で臨むことになり、無駄が多いということになるのです。
経営的には、経営戦略によって、組織や制度を整え、それを遂行する人材をアサインし…ということになりますが、計画自体が間違っていたら、それに続くこともすべて間違いということになり、結局、リソースの適正配分ができずに無駄が多くなってしまうということです。
こうやってみると計画というのは非常に大切なものだということが改めてわかりますね。
■ 予め計測方法も考える
やる前に何をもってその結果を計測するのかということを予め決めておかなければチェックのしようがないということも多いように思います。
なぜならば、前もってその計測のしかたを考えておかなければ、終わってからは計測のしようがないということも多いのです。
これは、営業のように数字で結果を出しづらい業務の方が多いのかもしれませんが、バックオフィスには数字では計りづらいことも多くあります。結果オーライでは力はつきません。
これも、何のために、何を、どこまで、どのように、ということを予め決めておかなければならないということですね。
■ 必ず振り返る
計画さえきちんと立てていれば、あとはその実行あるのみです。「Do-Do-Do-Do」はすでに得意でしょうから、これは思いっきりやってほしいものです。
ただ、やはり気になるのが「やったらやりっぱなし」です。振り返る、反省する、総括するということがなければ、改善、向上はありません。
きちんとしたCheckがあるからこそ次のImprovementがあるのです。そのCheckもきちんと評価することが必要です。
小さなことでも計画どおりにできたことについてはきちんと評価をする、棚ボタや結果オーライは別モノとして捉えるということをしていかなければ、いつまでたっても力はつきません。
最後にActionということになるのですが、課題がわかれば解決策もほぼわかるでしょう。わからないとなるとそれはそれで問題ですが…。
PDCA自体は大昔から言われていることですが、そのやり方ができていなければPDCAもPDCAにならないということですね。
さて、新譜が届いたので試聴します♪
お陰さまで好評発売中です!ご注文は、Amazon からお願いします。
紀伊國屋書店、丸善ジュンク堂、有隣堂、ブックファーストなどでもご購入いただけます。
関連記事:
著書「雇用が変わる」を上梓しました!(9月30日)
拙著「雇用が変わる」の特長と目次(10月2日)
拙著「雇用が変わる」、いよいよ明日発売!(10月14日)
投稿者プロフィール
最新の投稿
- 経営戦略2018.06.29あほらしい…働き方改革国会
- 経営戦略2018.01.10方法論ではない「人材採用」
- 経営戦略2018.01.09人材サービス業界、2018年はこんな年
- 経営戦略2017.12.07先が思いやられる、この国の労働政策