今日11月10日は、コレド室町で開催されたリクルートキャリアさんの「グッド・エージェント・アワード」に行ってきました。
今まで聞いたことのないイベントだと思っていたら、この形でやるのは初めてとのこと。
■ ヒトだからできる仕事を
転職エージェントに対して表彰するもので、評価基準は、「求職者・企業への踏み込み度」「協働性」「新規性」の3つだそうです。
AIやコンピュータが進化して、求職者と企業のマッチングの精度が上がったとしても、機械にはできない、「ヒト」だからできる介在価値を評価する指標を基準としているとのことです。
裏を返すと、この分野も多くの場合、AIにとって代わられる部分もあるということですが、その中で人にしか出来ないことを見つけていくということは、非常に意義があることだと感じました。
■ 転職エージェントの思い
私が、人材紹介系のイベントに行くことはあまりないのですが、たまたま、一昨日の拙著の出版記念パーティにもご臨席頂いた日本大学大学院総合科学研究科准教授の安藤至大さんが審査員をされるということと、以前からお世話になっているリクルートワークス研究所労働政策センター長の中村天江さんが基調講演をされるということで伺いました。
金賞として5社の方のプレゼンテーションがあったのですが、それぞれに転職エージェントの方がいろいろな思いをもって取り組んでいること、いろいろな工夫をされていることなど、とても興味深い話を聞くことができました。
普段あまり評価されて陽の目を浴びることが少ない転職エージェントのモチベーション向上にもよいイベントだったように思います。
■ 審査の基準は「再現性」で
いずれも内容が違うので、この中で優劣をつけることは前提条件の違うものを比較することになり、現実的には不可能です。
それぞれ意義があったのですが、安藤先生の講評にもあったように「再現性が重要」ということに非常に説得力があったように思います。
一般的に企業の中でもある話ですが、キラキラしているような実績…それが偶然であったり、ラッキーな棚ボタであったり、ビギナーズラックのようなものであったりという再現性のないものを過剰に評価してしまうということがありがちです。
本来の能力という観点でいうと、一定程度コンスタントに同様の実績を創出できるか、理に適ったプロセスを踏んでいるか、考え方や質はどうかという観点で冷静に評価することが必要ということです。
「成果は賞与で、昇進昇格は能力で」ということが言えるのでしょうけど、ついついキラキラしているものに惑わされてしまいますからね。
これは評価者として、必ず心しておくことが必要だと思います。
■ 採用のパラダイムシフト
もう一つ印象的だったのは、中村さんの基調講演。新卒、中途、非正規、グローバルという切り口の採用ではなく、攻めの採用、守りの採用、つまり、競争優位を強化する採用、組織構成を維持する採用にパラダイムシフトをする必要があるというものです。
もちろん、内容的には当たり前と言えば当たり前なのでしょうけど、この整理が素晴らしいと思いました。これを意識しているのとしないのでは、かなり人材マネジメントも違ったものになるのだろうと思いました。よい話を聞かせてもらいました。
たまには、違うフィールドの話を学ぶこともよいですね。
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