こんにちは。人材サービス総合研究所の水川浩之です。

今日はサクッと、明治の「カール」について採り上げたいと思います。検索してみるといろいろなことをいろいろな人が好き勝手に語っていますが、私も好き勝手に書いてみます。

49年前からの継続は力

先日の東日本での販売を中止するという発表、結構インパクトがありましたね。

考えてみると私は10年以上食べた記憶もなく、それ以前もほとんど食べていないと思います。

要するに、食べないわけではないけど好んで食べたわけでもない、というものでした。

それにつけても、いざ無くなると聞くとなんとなく食べたくなるというのも不思議なものです。

昨日は、有効求人倍率が1974年以来43年ぶりの高水準というお話を書きましたが、カールの発売はさらに遡ること6年の1968年つまり49年前だそうです。

発売当初、初めて食べたときのことは周囲の状況も含めてよく記憶しています。それまで経験したことのない食感だったこともあり印象的でした。それが49年間忘れないものになっているというのはすごいものがあります。

強烈なブランド力

なぜこれほどまでに認知されたのでしょう?

当時は子どもが見るテレビ番組も分散しておらず、人気番組を狙った「それにつけてもおやつはカ~ル♪」というサウンドロゴによる刷り込みはかなり奏功したと思います。

否が応でも存在への認知は上がらざるを得ませんでした。

おやつと言えば?「カール」と答えるほどの広告宣伝の刷り込みは、「やめられないとまらない かっぱえびせん」と双璧です。

恐らく、カールを食べたことのない日本人は菅官房長官しかいないのではないかと思うほど、一度は皆さんも口にしたことがあるのではないでしょうか。

やはり、「〇〇と言えば~」で思い出してもらえるブランド力を創ることは非常に大切ですね。

ただ、このブランド力が認知だけからもたらされたかと言うとそんなことはないと思います。

ブランドとは単なる認知度ではなく、信頼そのものです。サウンドロゴ、カールおじさん、パッケージデザイン、変わらない品質、継続的な安定供給。

そんなものがおやつと言えば「カール」というブランドを創りあげたと言えるのではないでしょうか。

止める勇気、守る勇気

今回、売上がピークの3分の1にまで落ち込んだため東日本での販売を中止するとのことです。

落ち込んだと言っても、お菓子の中では依然として高い認知度があり、他の商品と比較しても売り上げが低いということもないのだと思いますが、最も注視すべきところは採算の問題のようです。

いくら売上があっても、肝心な「もうけ」がなければ赤字です。

明治はカールの販売をやめることさえ考えたそうですが、結果として販売量をみて採算のとれる西日本を残し、それに見合った愛媛の工場だけけに生産を絞り、カールの存続を守ることを選んだ。とてもアッパレな経営判断と言えるのではないでしょうか。

人材派遣でも同じ

カールにまつわる経営判断は、人材派遣でも同じことが言えると思います。

現在、労働市場は好調です。人材の採用さえできていれば売り上げは上がっていく傾向が強いのだろうと思います。

しかし、経営環境を振り返ると決して良くなったわけではないはずです。

労働契約法18条に基づく5年の無期転換、労働者派遣法の雇用安定措置、キャリア形成支援、社会保険の適用拡大、同一労働同一賃金に伴う待遇改善など、経営がしづらくなっていることに変わりはありません。

採算が取りにくくなっているのです。そこには冷静な経営判断が必要とされるのではないでしょうか。過去の成功体験だけでは勝ち抜けません。

クライアントの良し悪しは個別管理で

ドンブリ勘定で言えば、全体の売上が上がっていれば、見た目の利益もそれなりには上がっているのかもしれません。

しかし、個別のクライアント、派遣先企業ごとにその活動量や特殊要因による手間ひまなどを考えるとどうでしょう。

中には手数ばかりかかって、実際には利益の出ていない取引もあるのではないでしょうか。

目立たなくても派遣スタッフの定着がよく、多くの活動量が求められない派遣先と比較すると明らかに貢献度が低い場合もあるはずです。

カールで言えば、どこで売り上げが上がり、利益が取れているのかをきちんと見定めることが必要だということです。

求められる明確な経営判断

当然ながら赤字部分が解消されれば、黒字が増えるのです。この管理は必要です。

売上が大きいからと言って利益の出る顧客とは限らない。これを知っていて営業をするのとそうでないのでは雲泥の差です。

往々にして営業部隊は、わかっていても「やめられないとまらない」ということがあるのではないでしょうか。

役割として売り上げをあげることが任務ですから、わからなくはありませんが、経営判断としてもう一段高い視点で明確な線引きをすることも必要だと思います。

それが「カール」の英断なのだと思います。

すがすがしい天気ですね。実は記憶にないぐらい久しぶりにカールを買ってみました(笑)。よい週末をお過ごしください。

お陰さまで好評発売中です!ご注文は、Amazon からお願いします。

全国の紀伊國屋書店、丸善ジュンク堂、ブックファースト、有隣堂、三省堂書店などでもご購入いただけます。

雇用が変わる

関連記事: