こんにちは。人材サービス総合研究所の水川浩之です。。

先日、ブログに書くネタがないなどと書きましたが、一つ重要なことを思い出しました。Googleが6月20日にアメリカで「Google for Jobs」のサービスを提供開始したとのこと。

なぜか、国内ではほとんど話題とされていません。特に人材サービスに関連するサイトではまったくと言っていいほど扱われておらず、マイナビニュースさんが2日後に採り上げたぐらいでしょうか。

マッチングは「人」がやるもの?

「Google for Jobs」については、先月5月21日に発表直後のブログ「『Google』が人材サービスのライバル?」で採り上げましたし、AIを利用したマッチングについては以前からお伝えしてきました。

それがすでに現実のものとなっているにも関わらず、人材サービス業界内ではほとんど話題になっていないような気がします。

私は、前々から、AIを利用したマッチングについては、業界にとって大きなインパクトになると考えているのですが、いつも言うようにAIの話題については皆さん関心がないのはなぜでしょう。

マッチングは人がやるべきものという考えから抜け出せないということでしょうか。最終的な判断は人が行うにしても、8割、9割までは、忖度のないAIに任せてしまった方がむしろミスマッチが少ないとも言えるのではないでしょうか。

Googleの進出は将来的には脅威

記事の内容だけを見ると確かにGoogleは求人情報を検索するだけのように書かれていますが、本来はGoogleの技術力をもってすれば、求職情報と求人情報をダイレクトに結びつけることも容易にできるのではないでしょうか。

アメリカでの記事まで遡ってみると、必ずしも求人媒体を対象とした検索だけでなくそれ以上の能力をもっていることが分かります。

現時点では、求人媒体を対象とした検索とされていますが、実際には人材紹介事業者、人材派遣事業者の自社サイトも対象にできるはずです。

さらに個別企業サイトの求人ページに直接アクセスすることも可能なはずです。

対象となる企業の信頼性ということも言えるのかもしれませんが、これもAIが企業情報を蓄積していれば、それなりにグレードを絞ることもできるのではないかと思います。

「今」だけを見れば、単なる検索だけではGoogleにとって何のメリットもありませんが、仮に単なる「検索結果」ではなく精度の高い「マッチング結果」を得られるようになれば、人材サービス業界にとっては大きな脅威となるのではないでしょうか。

人材サービス事業者ならではの運用を

恐らく、そのことはGoogleも分かっており、軋轢を避けるために求人媒体事業者との提携と言っているのかもしれませんが、ポテンシャルとしては、すべての人材サービス事業者を飛び越えてマッチングすることも有り得ると考えておいてもよいのではないでしょうか。

少なくともアメリカで始まったものは、日本でもそう遠くない将来に導入されると思っていた方がよいと思います。

極端な捉え方かもしれませんが、これを前提とするならば、人材サービス事業者はGoogleにはできない「サービス」を提供することが求められるということになるでしょう。

逆にその観点で「サービス」のレベルを高めていれば、業界の中で勝ち進むことができるということではないでしょうか。

そんなわけで、6月30日まで東京ビッグサイトで開催されている「AI・人口知能Expo」に行ってきます!

Googleで求人情報を検索できる「Google for Jobs」、米で提供開始

マイナビニュース 2017年6月22日

米Googleは6月20日(現地時間)、Google検索を使って求人情報を見つけられるサービス「Google for Jobs」の提供を米国で開始したと発表した。同社は5月に開催した開発者向け会議「Google I/O 2017」において同サービスを紹介していた。

大手求人サイトと提携

同サービスでは、2016年に発表された、Googleの機械学習ツールを使用してキャリアサイトや求人掲示板などでの仕事の検索を支援する「Cloud Job API」を採用。デスクトップまたはモバイルのGoogle検索で、「jobs near me(近くの仕事)「teaching jobs(教職)」などの言葉を入力すると、Web上から集められた求職情報のリストがカード形式で表示される。

信頼できるサイトによる雇用主へのレビューや評価を確認できるほか、Googleにログインしていれば自宅からの通勤時間も表示される。業種や職種、求人情報が掲載された日付、勤務形態などで検索結果を絞り込むことも可能。また新しい求人情報が追加された場合はメールで通知を受け取ることもできる。

LinkedIn、Facebook、Glassdoor、Monster、WayUp、DirectEmployers、CareerBuilderなどの大手求人・就職サイトと提携し、これらのサイトに掲載されている求人情報を検索できる。さらにサードパーティの企業や直接雇用者も同サービスを使って求人することが可能となっている。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

Google for Jobs Could Save You Time on Your Next Job Search

Lifehacker.com 6/20/17

Google launched its new Google for Jobs initiative today, which puts job listings from all the major job service sites in one easy-to-search place.

When you start looking for a new gig, it usually involves opening tab after tab of different job listing sites, then typing in a search query, followed by endless scrolling until you find something worthwhile. Well, Google thought that was a waste of time. They’ve partnered up with job services like Monster, LinkedIn, CareerBuilder, Glassdoor, Indeed, WayUp, DirectEmployers, Facebook, and more to put all those listings in one place.

Go to the Google Search page on desktop or mobile, enter a search like “jobs near me,” or “IT jobs,” and you’ll be shown a massive list of every job that matches your query. Then you can tinker with various settings to make your search more specific.

You don’t actually apply for these jobs through Google, however. You’re shown the complete job listing, what kind of work it is (full-time, part-time, contract, etc.), the date it was posted, and company ratings from sites like Indeed, Glassdoor, Kununu, and Careerbliss. Some listings will even show the commute time if you’re logged into your Google account and have your home address included in your profile. If you see a job you like, there will be a button that says “View on [origin site],” which will direct you to the place where you can actually apply. Sometimes it’s a job service site like Monster or CareerBuilder, and sometimes it’s the company web site. If you’ve ever used Google Flights to search for bookings, it’s kind of like that.

You can also customize your job search with various filters to narrow things down even further. You can filter the job category (and search multiple categories at once), job title, date it was posted, the type of work, location, company type, or keep your search within one employer. So, say you want to search for a full-time job in Computers and IT, with the title of manager, at a manufacturing company located in your city, that’s just been posted in the last three days. You can do that.

Better yet, you can make that search, then set up alerts for any new jobs posted that fit into those parameters. I tested out the alerts function and was sent an email for a new job posting the instant it went up.

Google isn’t exactly reinventing the wheel with this new feature, but they are greasing it up by gathering all the listings it can find, removing duplicate postings, and hiding jobs that are irrelevant to you. Even so, they have no interest in competing with other job service sites—it’s strictly a new feature of search. After all, the Google for Jobs initiative wouldn’t work without the collaboration of other job sites. The new search feature is young, but as Google for Jobs continues to improve, there won’t be much of a reason not to at least start your job search with it. You’re almost guaranteed to save yourself some time.

Patrick Allan

お陰さまで好評発売中です!ご注文は、Amazon からお願いします。

全国の紀伊國屋書店、丸善ジュンク堂、ブックファースト、有隣堂、三省堂書店などでもご購入いただけます。

雇用が変わる

関連記事: