こんにちは。人材サービス総合研究所の水川浩之です。

先週、飛行機に乗って以来、喉の痛みが発症し、その後咳が一向に良くなる気配はありません。

何年かぶりに風邪をひいたようです。風邪薬を飲んでいるためこの数日ボーっとしています。熱はないのですけどね。

同一労働同一賃金、3法一括改正

一昨日12日には、労働政策審議会の同一労働同一賃金部会に行く予定でしたが、これもキャンセル。

この日は、法案の要綱について諮問されることになっていましたが、アドバンスニュース「派遣法など3法改正の法案要綱を「概ね妥当」答申 労政審、同一労働同一賃金部会 施行期日は派遣法を除き中小企業に1年猶予」によれば、労働契約法とパートタイム労働法、労働者派遣法の3法一括改正について「概ね妥当」と答申されたとのこと。

この3法一括改正は「働き方改革関連法案」の一部として法案が提出される予定ですが、そもそも「働き方改革関連法案」とはどのようなものでしょう。

「働き方改革関連法案」の中身

出張中で9月8日に開催された労働条件分科会には行けなかったのですが、この日諮問された「働き方改革を推進するための関係法の整備に関する法案要綱」が、どうやら「働き方改革関連法案」のようです。

俯瞰して見ると働き方改革実行計画で示されたもののうち、法改正が必要なものの8項目がまとめて法案として記載されています。

内容的には、第一と第六が長時間労働の是正、第五、第七、第八が同一労働同一賃金、それ以外の3つぐらいに分けてもよさそうなものですが、渾然一体のものとして一つに無理やりまとめられているように思います。

働き方改革を推進するための関係法の整備に関する法案要綱

第一 労働基準法の一部改正

  1. 時間外労働の上限規制
  2. 中小事業主に対する一箇月について六十時間を超える時間外労働に対する割増賃金率の適用
  3. 年次有給休暇
  4. フレックスタイム制
  5. 企画業務型裁量労働制
  6. 特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)
  7. 罰則

第二 じん肺法の一部改正

  1. 労働者の心身の状態に関する情報の取扱い

第三 雇用対策法の一部改正

  1. 題名
  2. 目的等
  3. 国の施策
  4. 事業主の責務
  5. 基本方針
  6. 関係行政機関への要請

第四 労働安全衛生法の一部改正

  1. 面接指導等
  2. 産業医・産業保健機能の強化
  3. 罰則

第五 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律の一部改正

  1. 待遇に関する情報の提供等
  2. 不合理な待遇の禁止等
  3. 職務の内容等を勘案した賃金の決定
  4. 就業規則の作成の手続
  5. 待遇に関する事項等の説明
  6. 派遣先への通知
  7. 派遣元管理台帳
  8. 適正な派遣就業の確保等
  9. 派遣先管理台帳
  10. 紛争の解決
  11. 公表等

第六 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の一部改

  1. 労働時間等の設定の定義
  2. 事業主等の責務
  3. 労働時間等設定改善委員会とみなす規定を廃止
  4. 労働時間等設定改善企業委員会の調査審議

第七 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部改正

  1. 題名
  2. 定義
  3. 基本的理念
  4. 不合理な待遇の禁止
  5. 通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止
  6. 賃金
  7. 福利厚生施設
  8. 事業主が講ずる措置の内容等の説明
  9. 指針
  10. 紛争の解決

第八 労働契約法の一部改正

  1. 期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止に関する規定の削除

パートタイム・有期労働法

派遣法改正については、11項目もあるので別途採り上げたいと思いますが、人材サービス事業者の皆さんは、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(=パートタイム労働法)が、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」のように名称が変更され、これまでのパートタイム労働法と労働契約法がまとめられることは知識として知っておいた方がよいと思います。

「短時間・有期雇用労働」(=パートタイム・有期労働法)のように言われることになるのではないでしょうか。

どうにも調子が悪いので今日はここまで。季節の変わり目、皆さんも風邪などひかれないようご注意ください。

お陰さまで好評発売中です!ご注文は、Amazon からお願いします。

全国の紀伊國屋書店、丸善ジュンク堂、ブックファースト、有隣堂、三省堂書店などでもご購入いただけます。

雇用が変わる

関連記事: