ババぬき昨日のブログで、アメリカ大統領選挙について「結果がどうあれ我が国にとってはあまりよいものではない」などと書きましたが、世界中誰もが驚く結果となりましたね。なんとなく前日からいやな予感もしていたのですが、まさに「まさか」の坂。これから世界はどのような坂を転がるのでしょう。

現状では、メディアでも確固とした方向性が見えてこないのですが、少なくともイギリスのEU離脱と同じようにポピュリズムの台頭、つまり大衆迎合主義が頭をもたげているということは事実と言えるのではないでしょうか。

多くのことは大衆の意思によって動くことは事実でしょうけど、そこには理性が欠ける判断が多く含まれることが多く、危険な思想に傾きやすいように思います。

安保で日本を守る必要はない、日本に核を持たせろ、というのは多くの日本人にとっては青天の霹靂ですよね(ヘキレキって書けませんが)。

憲法からしてそのようなことはまったく想定されていないわけですから、当然、ひと悶着ありますよね。

日本にとっては抑止力がなくなるので、中国や北朝鮮がやりたい放題になることも考えられますね。経済以前に身の安全です。

一方、経済的にはどうでしょうか。あれだけ騒がれたTPPは反故になり、アメリカの保護主義貿易色が濃くなると、自動車を初め、対米輸出産業にとっては打撃になるはずです。

対米輸出にかかわる産業への人材サービスの提供は要注意ということになるでしょうか。

考えたくないですが軍需産業的な企業は潤うということもあるのかもしれません。

これまでのトランプ氏の発言が選挙対策用の誇張されたものであればよいのですが、言っていることがそのままということになると、世界の秩序までおかしくなりかねないので恐ろしいですね。

いずれにしてもポピュリズムは、ナショナリズムを呼び、排他的となります。利己主義的な思想も頭をもたげ、むしろ多様性を認めないということも起こるように思います。

昨日のブログでは、「その中でどのようにビジネスを展開していくのか。戦略思考が必要」とも書きましたが、一方では、とりあえずは目の前にある自らの課題に真摯に取り組む方がよいのかもしれません。

労働政策審議会需給制度部会さて、前置きがあまりにも長くなりましたが、昨日は、第247回労政審労働力需給制度部会を傍聴してきました。

テーマは、「雇用仲介事業等の在り方について」で、論点として、「職業紹介事業以外の雇用仲介事業等に係る検討項目」を中心に議論がされました。

以前、「雇用仲介事業等の在り方に関する検討会」の関係団体からのヒアリングで、委員から発表者に対して、「規制がない環境だったからうまくいったのだと言ってしまうのは言い過ぎだ」と、検討会のヒヤリングの場では珍しく、発表者がたしなめられるような場面を目撃したことがあります。

これについては、私も人材サービスを標榜する事業者の姿勢としていかがなものかと思っていたのですが、当然、今後は規制がされていくことになりそうです。

昨日の需給制度部会をみると、「募集情報等提供事業」や「委託募集」、「労働者供給事業」にも規制が設けられそうです。

「募集情報等提供事業」とは求人情報サイト、求人情報雑誌、新聞・雑誌の求人広告などの募集媒体ということになりますが、求人広告として記載されていることと実態のかい離が問題視されており、監督、指導、罰則などについても俎上にのぼっています。

「委託募集」とは、「労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者をして労働者の募集に. 従事させる形態で行われる労働者募集」のこととされ、要するに採用代行、RPOですが、これらにも規制かかりそうです。

「労働者供給事業」は、例外として労働組合によってのみおこなわれているものです。

これらについては、従来、規制らしい規制はありませんでしたが、労働者保護の観点からはやはり相応のルールは必要なのだと思います。

その中で、求人媒体の記載をめぐって、例えば、月給の範囲、よくある月給20万~25万円という表記について、仮に23万円と金額が決定したとして、それを事前に伝えていなかったら、記載内容との「相違」だというとか言わないとか…。

一般的には記載された範囲に収まっていれば、それは相違とは言わないですよね。この範囲からはみ出したら「相違」というのが普通でしょう。

本来の議論としては、相違かどうかよりも、事前に労働条件を明示するかどうかの方が大切だと思うのですが、妙に現場感覚のない議論でした。

とはいうものの、次回は報告書案が示されるようです。

どちらかというと私も余計な規制排除派ですが、それは事業規制に対しての話であり、労働者保護の規制はむしろ厳格化された方がよいと思っています。

人材サービスの事業規制と労働者の保護規制は分けて考えなければなりません。

どのような報告書案が示されるのか興味があるところです。

 

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雇用が変わる

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