こんにちは。人材サービス総合研究所の水川浩之です。やっと桜が咲き始めました。満開までもう少しですね。私も昨日は墓参りを兼ねて、お花見に行ってきました。

記憶に残る一日

さて、いよいよ新年度、多くの企業では今日、入社式が行われるのではないでしょうか。

すでに終身雇用は崩壊し、新卒一括採用は時代にそぐわないと言いながらも、入社式というと、何となく喜ばしい気持ちになるものです。

多くの若者にとって社会に巣立つ日として、その記憶はいつまでも残るものになるのだろうと思います。

私も若かりし頃、当たり前のように入社式を迎えたことを思い出します。

気持ちの入れ替えの日

私の入社式の思い出は、前日の夕刻、つまり3月31日に人事部から電話があり、「明日は新入社員代表として宣誓をしてもらうから、集合時間よりも一時間早く出社するように」…と。

「はい。わかりました」と明るく応えたものの、本社は大阪。東京に住んでいた私は、「一時間も早い新幹線に乗らなくてはならないのは嫌だ」、「そういうことはもっと早く言ってほしい」と、のっけから怠け心と不平に満たされたことを覚えています。

今ではホワイトカラーエグゼンプションどころか、労働者性さえない身分になってしまいましたが、当時は、残業代がもらえるわけでもないと、損をしたような気分になったものです。

時間に対して給料がもらえるというアルバイトの感覚があったからなのだろうと思います。

最近の若者は、そういうところは妙に要領よく、模範解答的な言動をするので私のようなダメな新入社員の意識はないのかもしれません。

そうだとしても、学生時代とはまったく違う世界に足を踏み入れたということを意識させることが大切なような気がします。

最初が肝心

経済状態にも左右されるのだと思いますが、七五三現象と言われるようになって久しく経ちます。

大卒の新入社員は入社後3年以内に30%が転職するという時代です。

変化のスピードが速く、企業の寿命も年々短くなるなか、人の職業生活の方が長い時代です。

終身雇用は、事実上崩壊していますが、そうは言っても最初が肝心です。

「人が宝」

3年で辞めるならそれほど教育に力を入れなくてもよいということではありません。

少なくとも70%の社員は残って戦力になるのです。

そして、辞めるかもしれない30%の人たちも含めて、きちんと育てることが重要です。

彼らを育成することは企業の社会的責任の一つではないでしょうか。

ピータードラッカーに以下の言葉があります。重いですね。

あらゆる組織が、「人が宝」と言う。

ところが、それを行動で示している組織はほとんどない。

本気でそう考えている組織はさらにない。

事実上、すでに組織は、製品やサービスについてと同じように、組織への勧誘についてのマーケティングを行わなければならなくなっている。

組織は、人を惹きつけ、引き止められなければならない。

彼らを認め、報い、動機づけられなければならない。

彼らに仕え、満足させられなければならない。

「プロフェッショナルの条件」より

新入社員に何を求めるか

恐らく多くの経営者の方は訓示を述べられることと思いますが、ぜひ、経営理念についてきちんと伝えてあげてください。

そして、ご経験の中から社会人としてこうしてほしいということについても、ぜひ話をしてあげてください。

ほとんどの新入社員にとって、入社式ほどまじめに話を聴く日は他にないと言ってもよい日です。

特に人材サービスに携わる皆さんには、「人」を大切にすること、信頼を築くことなど、深く意識に働きかける話をお願いします。

私から新入社員の皆さんへ

嫌々一時間早く出社した私も、いつの間にかこういうことを考えるようになってしまいました。

今日社会に出る皆さんにはこのようなことをお伝えしたいと思います。

社会で過ごす時間は、少子高齢化、グローバル化、高度情報化社会によって、大きな変化にさらされる時代です。

恐らくこれからの30年~40年はまさにその渦中となるでしょう。

多くの困難もあるかもしれません。

しかし、変化はチャンスです。ぜひ、以下の5つを胸に、未来に向かって新たな時代を切り開いてほしいものです。

  • 高い志をもつこと。
  • 品位品格を高めること。
  • 常に真摯であること。
  • チャレンジすること。
  • 学び続けること。

長い職業生活で、結局はこういうことが大切なのではないでしょうか。

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雇用が変わる

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