こんにちは。人材サービス総合研究所の水川浩之です。
秋らしいいい天気がつづきますね。東京近辺も少しずつ色づいてきました。
■ 引き続き高い有効求人倍率
さて、今に始まった話ではありませんが、人材採用について相談を受けることが多いですね。
有効求人倍率が1.52倍。
求職者は、選ばなければ必ず職に就ける、ということになりますが、そうは言っても、何らかの選択基準はあるから、必ずしもそう簡単な話ではなですね。
一方、企業はそれだけ人材を採用づらくなるのですが、そうは言っても職を探している人はいるわけですから、その中でどのように選ばれるかということが重要になるということです。
まあ、ここまでは人材サービスに携わっている皆さんにとっては当たり前すぎることではあると思いますが…。
■ 募集媒体がすべてではない
一般企業の方からは、募集媒体についてよく相談をいただきます。
媒体の選定はどうするのか、掲載内容に何を書いたら良いのか、どのように見せたらよいのかという話。
たしかに最初に目を引くという点では大切かもしれませんが、募集媒体に掲載した内容だけで求職者が即座に応募するかというと、それは考えづらいですね。
仮に募集媒体に興味をもったとしても、いまどきはまずホームページを見るでしょう。
皆さんは、レストランを選ぶとき、ホテルや旅館を選ぶときどうしますか?
■ 採用プロセスを考える
真剣に考えるときには、検索サイトからそのレストランやホテル、旅館の自社サイトを見に行きますよね。
就職となれば、もっと真剣になるのが人情というものだと思います。
そう考えると募集媒体だけ化粧を施しても、ホームページが背中を押してくれるものでなければ離脱という結果になってしまいます。
その後のプロセスも同じですね。面談に出向いてもそこでの対応が悪ければ入社に至らないわけですし、もっと言えば、入社してからのギャップが大きければ定着は期待できない。
これら、一連のプロセスがすべて整わなければ結局、採用はうまくいかないということになります。
■ これからの採用は根治療法を
広告媒体やその表現をどうにかすれば何とかなるというのは、今となってはあまりにも表面的な解決策でしかないという認識が必要です。
広告自体は目に見えるものなので、そこに目が行くのは仕方がないのかもしれませんが、実際にはその裏にある目に見えない部分が重要なのです。
買い手市場であれば、それでも何とかなるという側面もあったでしょう。しかし、現状のような売り手市場で、しかもこの先、人材不足はそう簡単には好転しないという状況では、かなり本気になって採用から定着まで、一貫して経営戦略の核に据えるかが問われる時代になったと言えます。
■ マーケティングの発想が重要
採用マーケティングという言葉もありますが、その割にマーケティングの4Pを語っているケースは少ないですし、あっても捉え方が狭義であることが多いように思います。
4Pですから、当然、プロダクト、プレイス、プライス、プロモーションの頭をとって4Pですね。
商品やサービスのマーケティングをやっている人からすれば当たり前のことでしょうけど、これを採用に生かそうというのが採用マーケティング。
問題はこれらの4Pをどう捉えるかということになります。
■ 求職者の気持ちこそ一番大切
マーケティングは営業のようにプッシュではなくプルです。どう見せるかよりも、どう魅せるかの方が重要です。
つまり職を選ぶ(買う)求職者にとってどう映るかということが重要ということになりますが、プロダクトは、会社や仕事そのもの。どんな仕事をするのか、求められていることは何か、存在意義は何かということでしょう。
プレイスは、通勤のことも考えられますが、引っ越しをするわけにもいかないことも多いでしょうから、少なくとも会社の環境、職場や人間関係も含めて考える必要があるでしょう。
プライスは、給与、賞与、待遇です。同じような仕事をしていても同地域で大きな差があればどんなに他のPが勝っていてもこれだけは衛生要因として満たさなければ話になりません。
そして、最後がプロモーション。多くの場合この部分、つまり最初に書いたような募集から採用に至るプロセス。
あまりにもこれらの4Pのうち、最後のプロモーションのことばかり考えている人が多いので今日はこれを採り上げてみました。
実際にはこれらをきちんと仕上げるのは口で言うほど簡単ではないでしょうけど、これらをやっていかなければ人材派遣事業者の明日はないですね。
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