ハーバード大学大学院教授、経営学者のマイケル・ポーターの講演に行ってきました!
そりゃ、経営戦略と言えば、マイケル・ポーター。マイケル・ポーターと言えば3つの基本戦略、5 Forcesですよね。
他にもバリューチェーンやCSV(Creating Shared Value)と、経営をする人なら知らなければモグリ?というぐらいの権威。
現在の経営学では最高峰の一人ですね。そのマイケル・ポーターがわずか10m先のステージにいるんですから、チョット興奮気味です。
たまたまつい最近も、拙ブログで競争優位戦略の3つの基本戦略について採り上げましたが、経営を論じるときには無意識のうちに出てきてしまうほどの基本中の基本。まさに大先生ですね。
この講演は、アメリカのPTCというIoTやARのハイテク系のソリューション企業が開いたものですが、日本にマイケル・ポーターを呼んでしまうというのがすごいですね。
■ ホンモノの5 Forces
実はちょっと畑違いの感じもありましたが、マイケル・ポーターを生で見れるというので、かなりミーハーなノリで行ってしまいました。
…で、「IoT時代のモノの新しい見方がわかる!」というフォーラムだったのですが、その中でマイケル・ポーターは「接続機能を持つスマート製品や拡張現実(AR)」が変えるIoT時代の競争戦略」という難しそうなテーマで登壇。
でも実際に話を聴いてみると、やっぱりマイケル・ポーターは、マイケル・ポーターでした。直々に5 Forcesの講義もあり、芸能人を見に行って喜んでいるのとまったく変わらない状態(笑)。
■ PEST分析は必須
一番、嬉しかったのは、これから求められる経営戦略策定の方法として、ネット、書籍、コンファレンス、有識者から得た情報を基に、政治、経済、社会、技術によるPEST分析を行い、トレンドを掴んだ上で戦略を立てる必要があるというものでした。
拙著「雇用が変わる 人材派遣とアウトソーシング ─ 外部人材の戦略的マネジメント」の第4章ではPEST分析をしたうえで、今後求められる雇用について書きました。
一般に労働系の学者さんや社労士、弁護士の方が書くことが多い雇用問題の書籍でPEST分析をしたものは見たことがないので、正直なところ恐る恐る書いたのですが、少なくとも戦略的な思考としてはマイケル・ポーターの言う通りの手順どおりということがわかってホッとしました。
…というより、ビジネス感覚としては正しい思考方法だとお墨付きをもらった感じ(笑)。
■ 新たな経営論を仕入れ
今後、IoTやAI、ARなどが発達することによって経営戦略は5 Forcesをベースとしながらも大きく変わるという話やバリューチェーンへのインパクト、組織論としてデータを扱う部門や顧客価値を測定するような機能などが必要になるとか、新たな戦略の選択肢とか…いやぁ、実務上の経営の講義を受けた感じ。
新たな時代へのモノの見方、考え方として「新たな機能を採用しないことにリスクがある」ということ、「独自アプローチの企業にチャンスがある」ということが示されました。これまでにない知識を仕入れることができて大満足。
少なくとも技術レベルでは第4次産業革命に入っています。今後、加速度的に実際のビジネスに投入されていくことは目に見えてきました。
まさに、「IoT時代のモノの新しい見方がわかる!」というテーマどおりでしたが、このような視点を持っておくことは非常に重要ですね。
■ 人材サービス業界で考えるべきこと
人材サービス業界も他人事ではありません。考えなければならないことは二つ。
一つは、雇用創造の場としてクライアント企業における雇用のあり方をどう捉えるか。もう一つは、自社のオペレーションがこれまでの通りでよいのか。
時代の流れは想像以上に早く進むと思います。目先の売上も重要ですが、足元を見つめて体質改善を図り、真の経営力を身につけることが必要だと改めて感じられる講演でした。
それにしても、生のマイケル・ポーター、やっぱり経営戦略はこのレベルの視点で見るべきだと久々にワクワク感満載でした!
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