改めて…、こんにちは。人材サービス総合研究所の水川浩之(ミズカワヒロユキ)です。
実は、今日お会いした方が、このブログをお読みくださっているにも関わらず、私が書いているということと結びついていなかったということが発覚しまた。有難く思いながらも驚きです。
そして、最近、ブログの書き方について書かれたものを読んだときに、「いつ誰が読むかわからないのだから、まずは自己紹介から始めるべきだ」とされていたことも思い出しました。
正直なところ、いつもお読みくださっている方が、毎回同じことを読むことになるのは読者目線ではなく、くどく感じるのではないかと思っていました。
よくお読みくださっている方には申し訳ありませんが、これから出だしは「こんにちは。人材サービス総合研究所の水川浩之です。」にさせてもらいます。ご了承ください。
さて、今日1月25日は、日本人材派遣協会の賀詞交歓会に行ってきました。
1月も下旬となり、すでに新年気分はまったくない状態でしたが、久しぶりに参加させてもらいました。
実際に参加してみると、親しくさせていただいている方がたくさんいらっしゃったのですが、あっという間に時間が過ぎ、皆さんとご挨拶できず大変失礼しました。
■ 働き方改革への備え
賀詞交歓会に先駆けて行われた「新春セミナー」では、安西法律事務所の木村恵子弁護士から「『働き方改革』について考える ~同一労働同一賃金を中心に」のテーマで講演がありました。
内容は、「働き方改革」の位置づけや「同一労働同一賃金」についての現状と今後の対策についての説明です。
木村さんとは以前、セミナーの講演でご一緒させていただいたことがありますが、弁護士さんらしく、判例を多く示されたうえで、労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法ですでに規定されている内容をもとにした司法判断の傾向など丁寧に説明をしていただきました。
特に労働契約法18条や労働者派遣法の雇用安定措置30条第2項、さらに昨年度末に示された同一労働同一賃金のガイドライン案について最低限、対応すべきことなどについて触れられ、とても参考になりました。
■「派遣社員WEBアンケート」は必見
この他、派遣協会の松坂彰子さんから、「JASSAキャリアカレッジ」「派遣社員WEBアンケート」「会員サイトリニューアル」について説明がありました。
松坂さんも以前、派遣協会でお世話になったことがありますが、まるでアナウンサーのようにメリハリのある説明で感心してしまいました。
特に「派遣社員WEBアンケート」については毎年のものになりますが、人材派遣事業者さんにとっては経営戦略上、非常に重要なデータが示されています。
■ やはり「正社員こそが正しい」は誤り
「派遣社員WEBアンケート」で最も興味深かったのは、今後のキャリア形成についての「今後の希望の働き方」です。
派遣が37.2%、無期雇用派遣が3.5%。さらに正社員が28.7%と今年から追加された限定正社員が9.3%。
まとめると、派遣社員の40.7%と(限定含む)正社員が38.0%と概ね半々で合計78.6%。その他が21.4%となっています。
これは厚生労働省の「平成24年派遣労働者実態調査」で、派遣労働者の今後の働き方に対する希望が、「派遣労働者として働きたい」(43.1%)、「派遣社員ではなく正社員として働きたい」(43.2%)で半々であったこととほぼ一致しています。
厚生労働省の調査では、派遣社員と正社員の合計が86.3%、その他13.7%となっていました。
厚生労働省と派遣協会では、若干誤差はあるものの相変わらず「正社員こそが正しい」という解釈は誤りであることがわかります。
誤差はあるものの、「その他」が増えたということはすでに働き方が多様になっているということでしょうか。
■ 限定正社員を分離した集計が秀逸
今回、限定正社員を分離して集計したことで、これまで見えなかったことが見えてきたように思います。
つまり、いわゆる正社員であるかどうかよりも、安定的であるかどうかの方が重要であること、職種、地域、時間を限定した働き方を求めている人が多いことなどが明確になったということです。
営業上もこれらの労働条件についてどのように派遣先企業と調整するのか、また求職者にはより詳細な希望条件のマッチングが必要になるなど、考えさせられることは多いのではないでしょうか。
非常に意義のある調査だと思います。
■ 派遣スタッフの54.6%が「優良派遣事業者認定制度」を意識
もう一つ、興味深かったことは、優良派遣事業者認定制度です。
派遣スタッフが派遣会社を選ぶ際に優良派遣事業者認定制度を「大いに意識する」(20.1%)、「やや考慮する」(34.5%)の合計54.6%が意識すると回答しています。
「優良派遣事業者認定制度」への認知度はまだ35.8%となっていますが、人材不足で少しでも登録スタッフをと考えるのであれば、やはり認定を受ける方向で考えた方がよいということになります。じわりと影響がでてきたように感じます。
「派遣社員WEBアンケート」には、他にも読み取れることはたくさんあります。
また、他の機会にでも採り上げたいと思いますが、本日15:00にはプレスリリースがされているのでぜひご参照ください。
■ 明けましておめでとうございます?
賀詞交歓会ですから「明けましておめでとうございます」なのですが、ぜんぜんピンときませんね。もう1月もおしまいです。
懇親会は、水田正道日本人材派遣協会会長や橋本岳厚生労働副大臣を初め、多くの国会議員、労働組合、行政の方などからの挨拶、上月和夫日本人材派遣協会副会長の乾杯の発生から始まりました。
以前は、開会の辞、乾杯の音頭ですぐに歓談、来賓の挨拶は歓談中でほどんど誰も話を聴いていないような状態で、せっかくの来賓のお話がかき消されてしまい、いかがなものかと思っていました。
今日は乾杯の音頭の前にすべての挨拶が終わってしまったので、皆さんきちんと話を聴いていてよかったと思います。
乾杯までの時間が長いということもありますが、業界として来賓を迎えるのですから、ご挨拶を受けるにしても相応の態度でというのがマナーだと思います。
ある国会議員の方からはアメリカの動向についてコメントがありましたが、皆さんの関心が高いのか、かつてないほど会場が静まり返っていました。国務大臣と国防大臣の発言への注視が必要とのことです。
ちなみに、私は橋本岳厚生労働副大臣とは遠~い血縁にあたるのですが、残念ながら挨拶し損ねました(笑)。
■「派遣スタッフのために」が共通言語
開会の辞として水田正道会長から挨拶がありましたが、「派遣スタッフのために」を共通言語にしたいというメッセージが印象的でした。
拙著「雇用が変わる」にも書いたように、私は水田さんとは業界の黎明期からの付き合いですが、そもそもテンプホールディングスの篠原欣子名誉会長が「スタッフはお姫様」と仰っていた考え方がきちんと踏襲されているのだろうと感慨深く拝聴しました。
前述の「派遣社員WEBアンケート」をみても、社会保険の加入率の94.7%や「産前産後休業制度」「育児休業制度」の利用機会があった女性の8割がこれらの制度を利用してたなどの結果から、業界全体の「派遣スタッフのために」が向上しているように感じます。
派遣スタッフの男女比は、91.2%が女性だそうなので、両立支援の運用状況はかなりよいと言えるのではないでしょうか。
■ ほとんど食べられずに帰宅
中締めは、鬼頭秀彰日本人材派遣協会副会長によってされました。
懇親の時間が1時間しかなくあまり多くの方とお話できなかったばかりか、ほとんど食べられず、残念に思いながら業界の重鎮とひとしきりお茶だけ飲んで帰宅しました。
乾杯前の来賓挨拶の時間が長かったから、懇談の時間が短かったということですね。
賀詞交歓という目的を考えたらもう少し時間が長くてもよかったのではないかと思いますが、ステージにあったお花ももらってきたし、いろいろ情報も得られたのでよしとしましょう。
ダウ平均株価が初めて2万ドルを突破したとのこと。トランプ効果のようですが、これはしばらく続くのでしょうか。
チリがアメリカ抜きの経済連携の可能性を探るために、TPP参加国だけでなく、中国、韓国、コロンビアに閣僚級会合の開催を呼びかけたというニュースも入ってきました。
この手の話でアメリカ抜きというのもかなり珍しいですね。中国が入ることで、パワーバランスも変わる可能性もあります。しばらく目が離せません。
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